
英検1級のレベルってどれくらいなんでしょうか?私でもチャレンジできますか?難易度について教えてください。

英検1級は、学習時間で見ると実は相当大変な試験です。時間の投資の観点で見ると、4技能取得のためには、2,200~3,000時間ぐらい必要なのです。私が英検1級を取得した時の経験から解説します。
英検1級のレベルと英検1級の世界観について、以下の順番で説明していきます。
②語学習得の投資効率なら英語より中国語
③英検1級の英語力(レベル)
④英語の魅力って?
⑤教養として英語をマスターしておきたいなら、早く始めてコツコツやる
①各種資格試験と比較してみる
試験の難易度は、準備にかかる時間(=投資)である程度測定できます。
日本における超難関資格は、弁護士、公認会計士、司法書士、弁理士などです。
それに続いて、税理士などが来ます。これらの資格は、ざっくり、公認会計士、司法書士、弁理士は3000時間程度と予測されます。
一方で、昔(第二次世界大戦の頃)はスパイの育成目的で、どれほど学習時間が必要か?見積もられてたことがあります。
スパイが殺されてしまったら代わりの次のスパイを育成するまでにどれくらい時間がかかるかは大切ですので。
直近では、FSI(Foreign Service Institute)が言語習得の難易度ランキングを公表しています。
これによると、日本語習得までの学習時間は英語のネイティブスピーカーにとって2,200時間となっています。
逆に言えば日本人にとっても英語は同じように難易度が高いということです。
これは私の個人的な感覚ともあっており、英検1級相当の4技能(CEFR C1レベル)を習得するには2,000~3,000時間、場合によっては超難関資格と同じくらいの学習時間の投資が必要ということです。

ちなみにFSIの表記は、Category V: 88 weeks (2200 hours): Languages which are exceptionally difficult for native English speakers – (日本語は)2,200時間は学習が必要で、英語のネイティブスピーカーにはと~っても習得が難しいとなっています。
②語学習得の投資効率なら英語より中国語
FSIのランキングを分析すると、英語ネイティブにとってフランス語は~600時間程度で習得できることが分かります。
これはラテン語の部分で非常に言語の共通性が多いためです。
日本人の英語学習者(上級者)はフランス語をかなり効率よく習得できるといわれていますが、これもこのデータと整合しています。同じように、ネイティブから遠い言語(高難易度)に入っているのは、中国語、韓国語、日本語です。
日本人にとっては、中国語は学び易いのです。(というか、全く学習時間ゼロでも漢字よめちゃったりしますよね?)。
第2外国語を習得する(バイリンガル)になるという意味では、英語と中国語が経済力と人口を考えた時に候補になりますが、日本人にとっては(バイリンガルになるための)学習時間という投資を考えたら)中国語の方がオススメになります。
③英検1級の英語力(レベル)
私は英検1級目指していたころ、英検1級あったら、英語をペラペラしゃべれて、洋書とかEconomistとかすらすら読めて、映画も字幕無しで見れるのかな?と思っていましたがそんなことはありません。

英検1級(CEFR C1)は、CEFR C1の定義を一部引用すると、”Can express him/herself fluently and spontaneously without much obvious searching for expressions. ”つまり、それほど間を空けることなく、流暢に表現することができるとなっています。
これは、具体的な運用でいうと、海外の大学院で英語の授業についていくことができ、積極的に発言できる素地があるということになります。ですので、このレベルが海外大学院の留学で求められる英語力の基準になっているのです。
④英語の魅力って?
こう見てみると、そこまで苦労して英語やってどうするの??という疑問が沸いてくると思います。
実際にその疑問は正しいと思います。特に、あまりにも小さな時期から無理して詰め込みでやるようなものでは決してありません。
なぜなら、2000~3000時間という超難関資格と同じ時間を使って、大学院の授業でついていける程度の語学力に到達するだけですから。
一方で、日常会話レベルのCEFR B2となると、ぐっと学習の時間が減ります。1,000~1500時間程度。これなら大分現実的な目標になってきます。
英語の最大の魅力は、中国の人とも、東南アジアの人とも、ヨーロッパの人とも、アメリカの人たちとも会話ができるということだと思います。
中国語や日本語と違い、アルファベットの数は、26文字です。日本語はひらがなだけで48文字です。小学校だけで1,006個も漢字を習います!これでは他国の人の習得は相当難しい。
考え方を変えると英語ができるようになっておけば、中国語は英語ネイティブよりもはるかに効率よく習得できますので、トリンガルになれちゃうかもです。
⑤教養として英語をマスターしておきたいなら、早く始めてコツコツやる
今後は自動翻訳機なども急速に普及しますが、語学学習の魅力は実は、言語というのは文化と結びついていることにあります。
例えば、英語は、主語の次にすぐ動詞が来ます。これでは結論を話してる途中で変えることが難しいです。
私は賛成です/賛成できません なぜなら~~~という流れなので。
一方、日本語は、私「部長、、今度の週末なのですが、、、(心の中ではゴルフ)」部長「おう、雨らしいな!ゴルフはないな!」私「ですよね~、ボーリングとかに致しましょうか?」みたいなやり取りになります
どれだけ自動翻訳機が発達しても、このような文化を理解するためのツールとして語学学習は残る可能性があります。
書道などが今でも人気なのも「文化」に関係するからですよね。
ただ、書きました通り、英語の習得には相当な時間がかかります。
一年から盆と正月を除くと、50週、週末お休みすると、週5日×50週で250日/年です。1日1時間で250時間/年。
小学1年生からコツコツ毎日1時間やって12年(高3までで)3000時間です。
準2級取得以降は英語を英語で学ぶことが可能になってくるので夏休みの短期留学で一気に時間を稼いだりできるようになります。
それでも、もともと相当な投資が必要なわけで、英語を身に付けることを視野にいれるのであれば、これからの時代は早めにはじめてコツコツ継続するこれは知っておいて損はないと思います。
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1978年生まれ。名古屋大学卒業、米国の大学院卒業(原子核工学修士)。20代はGE、BCGといった一流外資企業でプロとしての成功を一途に目指す。現在ミネルバ大学大学院にて勉強中。著書「一生食える「強み」のつくり方」
外資時代、圧倒的なレベルを求められる超プロの世界にはついていけず、挫折。 30代になり大手メーカーに勤務しながらも、今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。
多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する力には定評(理系ながらTOEIC 980点)。近年では大学にてキャリア論の講義も担当。