
英語教育がブームですが、「小学校1年生で英検1級」とか聞くとうちの子にどこまで英語を習わせればいいのか不安です…

そうですよね、不安になりますよね。世界のトップ大学、例えばスタンフォード大学のMBAプログラムに入学するためには、IELTS 7.0(Overall)を取得していることが条件でこれは英検1級相当です。そう考えると高校2年生頃に1級レベル、IELTS 6.0(準1級)は日常会話をほぼカバーするレベルなので、かなり早い子で中学生3年生で準1級がこれからの時代にあった学習ペースだと考えています。
小学校6年生で英検1級!?
延期とはなりましたが、2020年の英語4技能試験の大学入試への導入などもあり、初等教育における英語教育が話題になっていますよね
早くからやならいと!とあおられると心配になるものです。
ところで、もしも友人から「うちの子(小学生)に英検1級挑戦させようと思うの」、と言われたらあなたは友人にどんなアドバイスをするでしょうか?
「いいじゃない、英語できるにこしたことはないし」というのは大きな間違いだと私は考えています。
やっぱり小学校6年生で英検1級はちょっと早いと思います
スキルは、なんでも早く修得すればいいというものではありません。
小学校6年生で英検1級はちょっとさすがにハイペースかなと思います。
大切なことは、「時間は誰にでも平等に24時間与えられており、平等」ってことです。
英検1級は取得するのにどれくらい時間が必要でしょうか?
これはTOEICの点数を取るのにどれだけ学習が必要か?を調査したものです。準1級レベル(730点)から1級レベル(860点)へはなんと700時間必要(1700h-1000h)なことがわかります。
月曜日~金曜日の週5日、一年間は52週で盆と正月の休みを除くと50週。つまり250日/年
毎日1時間学習すると、1年間で250時間の学習時間を確保できます。
『準1級レベルから英検1級を取るためには、毎日1時間やって、さらに3年』ほどかかる計算になります。
ちなみにこの図から準2級を超える(470点)を取るには、0から初めて450時間程度でよいことが分かります。(2年弱)
このレベルの語彙力(3000語彙程度)でも十分話すことはできるんですよ!
これくらいならわからなくもないです
繰り返しになりますが、時間は有限でみんな平等に24時間なのです。そう考えた時、親として英検のために毎日何時間も、数年間かけて勉強させるべきでしょうか?
英検1級というと以下のような問題が出ます
The ( ) of smartphones on the market today makes it difficult for people to decide which one to purchase.
1 convalescence 2 profusion 3 treatise 4 annulment
使いますか?こんな英語。辞書で調べても日本語でも使うかどうか…
日本ならではの学びと体験を大切にしましょう
英語しかできないよりも、茶道や空手など日本の文化を学ぶことに時間を使ったらどうでしょうか?
アメリカで茶道や空手を学ぼうと思うと日本でやるよりも絶対にコストも時間も余分にかかる上に、コスパは悪いです(市場が小さいので)
日本では、茶道に触れる機会はたくさんありますよね。空手の体験もたくさんできる場所があります。競合がたくさんいるからコストも安くなる
でも、茶道がちょっとできたり、空手が黒帯だったりすると、海外に行ったときWowと言ってもらえます。
茶道+英語(英検2級)のほうが絶対にオススメです。英語がネイティブの友達もできやすいでしょう(茶道に興味を持った外国人が辛抱強く会話に付き合ってくれます)
このように考えると、英検1級は時間の投資の仕方としてはあまりスジがよくないかもしれません。
もちろん、子供が英語に強い興味を持ったなら話は別
子供が自ら何らかの理由で英語に興味を持ったならそれはそれで好きなだけ追求すればいいと思います。何かを探求することはとても大切だからです
最近は、本当に英語学習のツールも充実してきて、昔よりははるかに英語学習はしやすくなりました。
ただ、英語というスキルだけで日本人が戦うには、ネイティブに比べてやはり劣ります。一方で、日本ならではのスキルは大きな差別化になります。小さなころは多様な経験が大切かと思いますので、好きなことを伸び伸びと学べる環境を子供に用意してあげたいですよね。
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名古屋大 物理工学科卒、米国の大学院にて原子核工学修士を取得(アメリカ留学)。20代はGEやBCGといった一流外資企業で語学力を活かし外国人のエグゼクティブへ英語でのプレゼン経験も多数有。理系でありながら、実用英語技能検定1級、TOEIC980点、IELTS7.5点。著書: 一生食える「強み」のつくり方
今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する「学び方」のノウハウには定評がある。