
英検Jrオンラインの試験はどんな内容なのでしょうか?
こどもの将来の英語力を考えたときに役に立つのでしょうか?

英検Jrオンラインの特徴は、アルファベットの文字などをそれほど意識しなくても、音と絵で学習を進められることです。
これは見方を変えると、子供が言語を習得する順番(3歳児のように文字からではなく音から)と一致しているので特に小学校低学年までの英語力を測定する上でとても良い試験だと考えています。
幼少期の英語学習とその効果の測定はどうやってやるのが良い??
AIなどが進み、5年後(2025年頃)には自動翻訳機が出てきて第2言語の学習は不要になる可能性があります。
しかし、「書道」を例に取るとどうでしょうか?筆で文字を書くことなど実用的にはほぼありませんが、それでも習い事としてなくなりません。なぜでしょうか?
今、21世紀の教育で求められているのは、リベラルアーツだったり、教養だったりします。特定のスキル、それこそ会計士、弁護士といった高度なスキル・資格ですら陳腐化する可能性があります。
そのような中で、英語を含む第2外国語は、言語というスキルを学ぶ以上に、スキルが高度(上手)になればなるほどその言語と結びつく文化に対する素養が大切になってきます。
この文化に対する素養は言語と非常に密接につながっていて、英語という非常に日本語から遠く(違いが大きく)、習得に時間がかかる言語だからこそ、これをちいさなころから時間を書けてコツコツ学習する価値は大きい可能性が高いです。
例えば、英語は主語の後にすぐ動詞がくるので、相手が言葉を挟んできたときに、日本語のように結論を変えることができません。
例えば、
部下:部長、来週の週末は天気がわるそうなのですが、、、(ゴルフか、ボーリングか:本人はゴルフ押し)
部長:そりゃ、雨になりそうなんだからボーリングだろ(と割って入ると)
部下:ですね、天気が悪いのでボーリングですよね。
英語だと、来週の週末はゴルフが良いと思います、なぜなら〜みたいになるのでこのようなやりとりがむつかしいです。(基本的にそういうやり取り、文化がベースになっていないからです)
このように、第2外国語を少なくとも教養として学習しておくことは価値があると考えられますが、幼少期に学習を測定するという場合、英検Jrオンラインはかなりおすすめです。
先程説明したとおり、すくなくともシルバーまではほぼ文字を意識することなく学習を進められ、母国語の習得に近いスタイルの学び方にも対応してくれる試験だからです。
英検Jrオンライン等英検の受験状況
英検協会のオフィシャルページの受験の状況を見ますと、年代別の受験状況は下記の通りです。

小学生以下がすでに年間で40万人受けています。これは毎年のセンター試験の受験者数にとても近い数字ですので、その規模の小学生以下の子供たちが英検を受けていることになります。
中学生以上になると6学年(中学3年、高校3年)で300万人なので、1学年あたり50万人が受けている計算になります。
受験者数から見ても人気のある試験だと分かります。
英語力の証明という意味では、海外大学進学などを視野にいれると、TOEFLやIELTSの提出を高校3年生のときに求められることになりますが、英検は今IELTSの実施をブリティッシュ・カウンシルより受託しており、英検自体もCEFRというグローバル名4技能評価基準に基づき、IELTSやTOEFLの連携もかなりしっかりしてきています。
つまり、将来の海外大進学を見据えても英検で対策しておくことは有意義だと言えます。
英検Jrオンライン各級(ゴールド・シルバー・ブロンズ)で測られている英語力の目安
英検協会のオフィシャルページの「 3つのグレードと目安」のセクションにGOLD, SILVER, BRONZE各級の学習到達レベルの目安の記載があります。特に、学習経験・状況を基準にした目安を見るとどのレベルに到達しているか確認できるのかイメージが湧きやすいです。
例えば、英検Jrゴールドは週1回50分のの学習で2〜3年通った相当だということが分かります。

また、塾などでの学習状況を基準にした目安を見てみると、GOLDと英検5級の違いも分かります。例えば、「やや長い文章や会話を聞いたり、単語や短い文を読んだりする学習をしている児童」には、GOLDを勧めていて、「長い文章や会話を聞く音声学習よりも、単語や文を読む文字学習に力を入れている児童」にはGOLDではなく、英検5級を勧めています。
当校ではORCなどの良書を通じた多読ベースの英語学習を中心に据えていて、文法や単語などを教えたりする前に小さな子どもが日本語を覚えていく時と同じように本を読みすすめる学習を推奨しているので、英検5級よりもまずはGOLDになります。
興味を持たれた方はぜひ一度サンプルテストを見てみてください
下記に、英検Jr BRONZE, SILVER, GOLDのサンプルテストを見ることができます。英検Jrのレベルの目安の参考にしてください。GOLDのリスニングはなかなかのレベルではないでしょうか?
英検は、価格面、4技能対応という観点を総合的に判断するとCEFR B2レベル(準1級)まではもっともおすすめの英語試験と言って良いと考えています。
参考記事
1978年生まれ。名古屋大学卒業、米国の大学院卒業(原子核工学修士)。20代はGE、BCGといった一流外資企業でプロとしての成功を一途に目指す。現在ミネルバ大学大学院にて勉強中。著書「一生食える「強み」のつくり方」
外資時代、圧倒的なレベルを求められる超プロの世界にはついていけず、挫折。 30代になり大手メーカーに勤務しながらも、今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。
多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する力には定評(理系ながらTOEIC 980点)。近年では大学にてキャリア論の講義も担当。