【おすすめ本】英文「超」精読

おすすめ書籍

いろいろな本をおすすめしてきたけど、これは「本物」だ!

結論

著者紹介

冨岡英敬 (とみおか ひでのり)先生

 トフルゼミナール英語講師
 TOEFL Reading Section対策、基礎英文法対策などをご担当
 国内の大学の国際系学部へ多くの生徒を送り出す
 早稲田大学法学部 卒  (本書籍より引用)

▲法学部ご出身とのことで、法律・裁判に関連した例文などもたくさん載っています。これは英検1級対策にもなりますね。(単語セクションには、法律に関する問題も出題されています。)

もくじ

断片つぎはぎ読みを卒業できる!

「断片つぎはぎ読み」

 センテンスの構造を把握していないため、センテンスを「断片」の羅列にしか感じられない。しかし、読まなくていけないため、あちこちの「断片」を脳内で強引につなぎ合わせること(しょーこ要約)

 文法が苦手で、なんとなく読んでいる方、コレやってませんか? 自分はやっていました。

 この「断片つぎはぎ読み」の恐ろしいところ「断片つぎはぎ読み」をしていることに気づいていない!
 むしろ「これで大丈夫!」って思っている!
 レベルの高い文章に出くわすと、「なぜか突然英語が読めなくなった」と思い込む!

 これは、もともと正しく読めていないだけです。(体験済み)
断片は知識ではない

 「あなたは、文章を読んでいて、重要なセンテンスに出会ったときに、その内容を確かな知識として自分の脳内に格納する習慣を持っていますか?」(本文Prologueより引用)

 この文章を読んだときに、自分は衝撃を受けました。

 自分が足りないのはこれだ。これなんだ。

 そこで・・・

 「フランス革命が反対派を抹殺するジャコバン派の独裁、さらにはナポレオンによる他のヨーロッパ諸民族の抑圧という結果に終わると、理性に対する信頼は失われ、ドイツを中心に個人の感情や想像力を重んじ、過去に回帰して・・・」(本文より引用)

 これを読んで得られた知識を声に出して再生してみると・・・

 しょーこ「フランス革命があって、ジャコバン派?そしてナポレオン、がいろいろとそこら辺を、そして理性に対する信頼ってなに? ドイツでは個人が? てな感じ」

 日本語でもまったくできていない。

 つまり「知識を得るためのリーディング」が日本語ですらまったくできていない。(泣)

 よし、これだ!この本は絶対に読む!そして完全理解しなければ!と誓いました。

みんながつまずく後置修飾がわかる

日本語は前置修飾しかない

 英語には「後置修飾」という文法現象があって、「核となる名詞の後ろに情報を追加する」わけです。

 日本語を母語とする私たちには、これがとんでもなく難しい!(難しいって意識することが大事ね)

 もちろんいろいろな種類があります。

 young people these days  「最近の若い人たち」
 a pair of pants one size smaller  「サイズが一つ小さいズボン」(本文より引用)

 この程度なら理解も簡単だけど・・・単語も難しくて、さらにもっと複雑なセンテンス構造の中に入っていたらすぐに理解できる?

 本書ではそんな疑問・お悩みも、豊富な用例を使って(演習の中で)解決していきます。

 ズバリ「いきなり正体、説明は後回し」ってこと。この思考になっているってことが大事!
英語の前置修飾には特別な意味もある

 基本的に日本語は「前置修飾」の言語なので、理解も容易で違和感がありません。
つまりそのままの理解でいいということなんですね。

 ところが、英語の「前置修飾」は、「対照的カテゴリーの形成」を行う傾向があります。(本文より引用)

 stay-at-home dad  「(子育てのために)家にいるパパ」

 という語がパッセージ内に出てきたとします。(stay-at-homeがdadという名詞の前置修飾)

 そうすると、英語話者の脳には・・・

 working dad 「外で働くパパ」

 という別カテゴリーが登場するというのです。

 このような「前置修飾」ならではの「対照的カテゴリー化の形成」は日本語では明確に発生していない(本文より引用)ことに気づくことが大事ですね。

 なぜ大事か?

 それは英文パッセージや長文の中では、この「対照的カテゴリー化の形成」が起こっていて、「対比」しながらアーギュメントを展開させている場合もあるからです。

このことを意識していると、長文がかなり読みやすくなります。

 ですから
 前置修飾(カテゴリー化・形容詞単体)▶︎短く
 後置修飾(補足情報)▶︎前置詞句などで長くなる

 このことが非常に実用的であるというのも、よくわかりますね。

英語圏で頻出の概念・抽象思考がわかる!

必ず学ぶべき "political correctness"

 英検1級対策をしている方なら、一度は聞いたことのある語がこの "political correctness"。

 自分はこれまでこの"political correctness"について、ネットで調べたり、ネイティブに尋ねたりしていましたが、いまいちピントこず、このトピックが英作文で出されたら、一発NGを覚悟していました・・・

 実は自分は、このpolitical「政治的」という語で長年つまずいていました。多くの人は同じところでつまずいているのでは?と感じています。それには、「政治的」という言葉を正しく理解する必要があります。

 本書では非常に明快に、かつ豊富な具体例を使って説明し、もちろんその背景知識まで学ぶことができます。

 the aesthetically challenged duckling「美的に戦いを挑まれたアヒル」▶︎「みにくいアヒル」

 これはuglyのpolitically correctな言い換えです。(本文より引用)

 ▲極端に丁寧な言い回しに聞こえるため、アホらしく感じる場合もありますね。

 a physically challenged person「身体的に戦いを挑まれた人」▶︎「身体障がい者」

 ▲こちらはすでに社会一般で使われています。英検1級英作文でも使って構わないと思います。

 どうしてこのPC (political correctness)が英語圏で議論の的になるのかを正しく知る、そして、日々の言葉遣いに潜んでいる「政治性」を超えて、互いを尊重したコミュニケーションができるのかということを考える・・・英語を学習している私たちにも求められていることなのかもしれませんね。
名詞構文と無生物主語

 英語のセンテンスを正しく理解するには断片をつぎはぎで見る、のではなく「構造をつかむ」ことが極めて重要です。

 「構造をつかむ」ためには
 「文法構造に忠実なイメージ化」(本文より引用)が必要です。

 ここでいう「イメージ化」とは「映像」であり、文頭から英語の語順で映像化していくこと。

 ところが、英語を母語とする人々は、この「イメージ化」の動きを一旦止めて「静止画」にし、その世界を言語化する思考習慣があるというのです。これが「名詞構文」の正体です。

この「名詞構文」は彼らにとって非常に容易なもので、乱用すらしてしまう文体です。また、特にアカデミックイングリッシュを扱うときに非常に有効です。(本文より一部引用)

 次に「文法構造に忠実なイメージ化」をするためには
「名詞的な認識」を鍛える
英語の名詞のカタマリを認識し、それを「思考のブロック」として脳内操作する!(本文より一部引用)

 2つの文で表現された「因果関係」を1文にまとめる練習(つまり、「何が」という主語を名詞のカタマリで作る練習)
 The boy was not interested in philosophy.(原因)
 Hannah was disappointed.(結果)
 ▶︎The boy's lack of interest in philosophy disappointed Hannah.(本文より引用)

 この操作が「無生物主語構文」の考え方ですね。

 基本的に「書き言葉」ですが、こういったアカデミックイングリッシュはスピーチ、講義、ニュース等では音声だけでも発信されることもあることを知っておくことも必要ですね。

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