英検1級の世界観を知る

受講生の声・体験談

英検1級に合格した受講生から、英検1級の合格へのヒントとして「世界観を知る」を寄稿いただきましたのでご紹介させていただきます。

世界観を知る

これは英検1級の1次エッセイ、2次試験に限らず、 多くの試験にも活用できるのでぜひとも理解していただきたいです。

世界観…というと仰々しいですが、別の言葉で置き換えると「その世界にある慣習」といったものです。これを理解すると試験の点数は飛躍的に上がるのではないかと思います。

慣習の①②③、以下のとおりです。

①エッセイとスピーチにおける使用域を知ろう
言語学には「使用域(register)」という考えがあります。これはTPOによって使用すべき言葉の範囲があるということです。分かりやすいのは日本語における役割語でしょうか。

少年の場合…「僕」「〜だぜ」「〜です」
淑女の場合…「私」「〜だわ」「〜です」
老人の場合…「儂」「〜じゃ」「〜です」

のような感じです。 少年が「儂」を使ったり、淑女が「僕」を使ったりすると
周りの人が違和感を持ちますよね。このように言葉というものは無数にあるのですが、TPOを考慮すると、使用すべき言葉というものは絞られてきます。

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英語における「使用域」の例は、フォーマルの度合いで使用すべき言葉が変わるというものでしょうか。

例えば「良い」という意味を持つ言葉も
(口語:colloquial)good

(標準:normal)great

(格式語:dignified)awesome

(文語:literary)redoubtable

「散る」「広がる」という意味を持つ言葉も
(標準:normal)spread

(格式語:dignified)disseminate

(文語:literary)bestrew

というように、実はフォーマルさの度合いで使用すべき言葉が自ずと絞られるのです。

例えば、「太郎くんの行いはgoodです」というのは自然でしょうが「太郎くんの行いはredoubtableです」というと、違和感を持ちます。redoubtableだと仰々しいですね。

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さて、英検1級の1次エッセイ、2次試験にも使用域があるのではないかと私は思います。

英検1級だと「広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用できる」英語です。これを使用域という観点で分析するとどうなるでしょうか?二次試験の5点のショートスピーチと8点のショートスピーチを比較すれば自ずと輪郭が見えてくるのではないでしょうか。

5点のスピーチ
質問:遺伝子技術を人間に使用することは一般的になるか?
No,
Firstly, using gene modification technique to humans will make bad effect.
Because many religions ban people from modifying human bodies and if we
break the rules, it will make not-good results.…

質問:人工知能は社会に恩恵をもたらすか?
Yes,
Firstly, AI will make our live more convenient. For example, many reports
have shown that many companies have developed self-driving cars.


8点のスピーチ
質問:仏教は現代でも意味あるものか?
Yes,
Firstly, the primary reason that Buddhism is still meaningful in this modern
society is that it can play an important role in inspiring people and alleviating
their mental suffering. The Buddhism can give people hope and consolation as well as confidence and courage even during tough times. A great deal number of
sociologic reports have shown that most of citizens cling to religions to get
aforementioned feelings.


母数が少ないので、上記を踏まえて結論を出すのは早まった一般化(hasty generalization)になる可能性は十分ありますが、英検の1次エッセイ、2次試験における使用域は次のようになるのではないのでしょうか?

・使用域は標準語と格式語。口語(例えばgood、bad、big等)も使えなくがないが、立て続けに使用すると減点対象になると思われる。

・Weblioの学習レベルというものがあります。レベルは1-30まであり、1が初歩、4が英検2級、9-12が英検1級、13-が英検1級より上 です。

当然ですが、エッセイやスピーチでは英検1級以上に相当する学習レベルの語彙を使用する必要があります。(5点のスピーチだと学習レベルが6止まり(英検2級相当)になっていました)

基本的に学習レベルが高い単語は
ラテン語・ギリシア語発祥 > ノルマン語発祥 > ゲルマン語発祥
の順になります。

・名詞は修飾してリッチにする
 5点のスピーチ→many reports have shown that…
 8点のスピーチ→a great deal number of sociologic reports have shown that…

日本語のビジネスの会話でも名詞を修飾すると思います。
 ✕「レポートによると働き方改革を支持する人は9割にのぼる」
 ○「厚生労働省調査が大企業社員を調査したレポートによると働き方改革を支持する人は9割にのぼる」

✕のような会話はあまり聞きませんが、○のような会話は聞きますよね。1級では○の会話が求められていると思います。

使用域に関しては以上です。これを意識するだけでも結果の改善につながると思います。

②主張(claim)をサポートする根拠(warrant/data)はそこまで深くない

Examineeで、私の顔見知りに
◆50代の年長の方、社会経験豊富、ニュースに対する知識もたくさん持っている
◇20代の若い方、社会経験があまり無い
がいます。

興味深いことに、1級に先に合格したのは◇の方でした。 (◆の方が合格したという話はまだ聞いていません)

「何故だろう?」と私は思いましたが、 2人のスピーチを聞いて(たまたま聞く機会がありまして)その理由が見えてきました。

◆の方は、主張(claim)をサポートする根拠(warrant/data)を難しく考え過ぎている。◇の方は、その逆ということです。

例えば
「Can hard work and determination be a substitute for natural ability in the working world?(ビジネスという世界でハードワークは生まれ持った才能の代わりとなるか?)」というトピックで

◆の方は、「Noである。それは脳の構造は変わることがないから」のように話されていました。私が察するに◆の方が言いたかったのは

脳の構造は変わることがない

脳の構造は生まれ持った才能を決定する

ゆえに、生まれ持った才能は変わることがない

芸術やスポーツの世界では才能の影響が大きい、努力で何とかなる話ではない

ビジネスの世界でも同様

ということなのでしょう。ただ、これは2分のスピーチでは、とても話しきれない量になるかと思います。

逆に◇の方は 「Yesである。才能がなくてもチームワークで一生懸命働けば成果が出るから」のように話していました。

実は、エッセイもスピーチもそうなのでしょうが、主張(claim)をサポートする根拠(warrant/data)は階層がそこまで深くないのだと思います。

ニュースや国際事情に精通している人からすると「えっ、こんなあっさりした根拠でいいの?」と思ってしまうかもしれません。人生経験が豊富な人は逆にひっかかりやすい事象かもしれません。

・200-240 wordsのエッセイ、2分のスピーチだとどうしても伝えることができる量は限られてくる
・中学生でも1級に受かる人がいる

ということを考慮すると、1級のexaminieeに求められる主張(claim)をサポートする根拠(warrant/data)というのは基礎的なことなのかと思います。

ただし、語彙、表現は1級らしさが必要でしょうが。

③英検1級に求められる流暢さは?

これは私自身の経験です。 私自身、Skypeで英語話者と話す機会があり、英語の流暢さにはある程度の自信がありました。それでも、2次試験では落ちたことがあります。

そこで、
・合格した知り合いの方の英語スピーチ
・自分のスピーチ
録音して聴き比べました。

結果は歴然でした。私のスピーチは遅いですし、「うー」とか「あー」とかの言葉が随所に混じっていました。

・自分が話している時のスピーチ自己評価
・録音して聞いてみるスピーチの自己評価
乖離していましたね。

ここで受験される方にお伝えしたいのは
・自分のスピーチを一回録音するべきということです
・そして合格者のスピーチと聴き比べるべきということです
自分のスピートがどれほど合格ラインから距離があるか理解できますから。

そして、合格者のスピーチ
「話すスピード早すぎない?」と感じてしまう受験者もいるでしょうが、合格した私から言わせてもらうと「合格ラインを少し超えた程度」だと思います。つまりは、合格するためにはあれくらい話せなくてはならないと思います。
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以上です。
私の知識が多くの方に役立てば幸いです。

貴重な分析をありがとうございました。
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