
英検準2級のレベルってどれくらいなんでしょうか?中学生の頃3級は取ったのですが、英検準2級って難しいんですか?難易度や試験の内容や対策の方法などを詳しく教えてください。

英検準2級は「高校中級程度」の英語力と言われています。「日常生活に必要な英語を理解し、使用することができる」と定義付けられています。中学英語がしっかり身に付いていれば、そこまで難しい試験ではありません。
英検は正式名称を実用英語技能検定といい、公益財団法人 日本英語検定協会による英語資格です。
文部科学省の後援を受ける英検は、5級/4級/3級/準2級/2級/準1級/1級の7段階に分かれており、準2級からは高校や大学の入試や単位などで優遇される可能性が出てきます。
ここでは英検準2級のレベル解説から試験対策、ポイントなどについて詳しく紹介していきます。
目次
1・レベル解説
①語彙数
②コミュニケーション能力と発信力
2・試験の流れと評価
3・まとめ
1.レベル解説
準2級のレベルは高校中級程度とされ、文部科学省は高校卒業時目標英語力を英検準2級以上としています。
準2級から大学入試の一部試験免除や得点換算、また単位認定など優遇措置を受けられる可能性が出てきます。
以下の英検公式サイトで英検活用校の検索ができます。
①語彙数
英検準2級の必要語彙数の目安は3,600です。
参考までにどのくらいの語彙を新たに覚える必要があるのか、英検3級のとの比較から見てみます。
英検3級(中学卒業程度)の語彙数目安がおよそ2,100語なので、中学卒業レベルからさらに1,500語習得する必要があります。
毎日15個の語彙を覚えると、100日(3ヶ月半弱)で達成できます。
語彙は英語4技能の基本中の基本、語彙がないことには読むことも書くことも、聞き取り理解することも、ましては話すことなど到底できません。
つまり語彙数は英検攻略の為のみならず、将来英語を運用していく上でも基本中の基本といえます。
語彙数を増やすには、繰り返しと継続が何よりも大切です。
ポイントとしては同義語、類義語、反対語などと合わせて覚える、動詞であれば合わせて名詞形や形容詞形も覚えるなど、関連づけて覚えていく方法がオススメです。
また単語帳などで一通り勉強した後に、苦手な単語だけを抜粋して自分用の単語帳を作るのも効果的です。
ただ暗記するだけではなく、声に出して発音して音として覚えることも非常に重要です。
英検ではリスニングとスピーキングの試験も含めた4技能全てを図るので、語彙を音としても習得している必要があります。
②コミュニケーション能力と発信力
文部科学省では2020年度の学習指導要領から順次、英語教育に力を入れたものに変更しています。
具体的には2020年度から小学校、2021年度から中学校、2022年度から高校の英語教育が大幅に変わります。
中学校では基本的に英語の授業は英語で行われるようになります。
これは英語でのコミュニケーション能力の向上を図るもので、学んだ語彙や表現などを実際の対話で使用するような内容が重視されます。
高校では、英語でできるようになる事という観点からリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能に「やりとりと発表」を加えた5領域を高め、発信力を養うことを目指します。
英検もこれに対応し、日本の英語学習者が苦手とするリスニングやスピーキングなどのコミュニケーション能力やライティングなどの発信力を求める、より4技能の総合力を重視した内容になっています。
しかし他国と比べてまだまだ日常生活の中で英語を使う場面が少ない日本では、英語でのコミュニケーション能力や発信能力を鍛えるには少し工夫が必要です。
発信力については、英語でライティングをする際には決められた構成がありますので、英作文のテンプレートを使用したり、接続詞や使える表現を覚えることでライティングのコツをつかむことが出来ます。
準2級のライティングは、英語の質問に対する自分の意見と理由を2つ求められます。
以下は回答の流れと使える表現の一例です。
I think ~/私は~だと思います(意見を述べる)
Because ~/何故ならば~(理由を述べる)
I have 2 reasons, first ~/2つ理由があります、最初の理由は~(例を挙げる)
Second~/2つめの理由は~(他の例を挙げる)
That’s why ~/だから~です(結論としても一度意見を述べる)
ライティングについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。
コミュニケーション能力については、英語を音読することが重要なコツといえます。
英語の音読は発音の練習のみならず、視覚から入ってきた英語の情報を耳からも入れることでリスニングとスピーキング、さらには単語や表現の記憶の定着にも効果があります。
英検公式サイトでは過去問題を音源とともに公開していますので、ダウンロードして実際の試験を体験することも可能です。
また友人と英語で会話する習慣をつけるなど、他者からのフィードバックが得られる場合はさらに効果が期待できます。
準2級の出題範囲は日常生活や学生生活に関わる内容が主なので、日頃から英語で考えたり話す時間を設けるなど、生活の中に英語を取り込んでいくことで継続的な学習と効果が期待できます。
バリューイングリッシュでは、英検準2級の面接対策コースを用意しています。一度練習するのとしないのでは、本番の緊張具合が全然違いますので、ぜひ受講をご検討ください。
2・試験の流れと評価
準2級の試験は1次試験:筆記試験75分(リーディング、ライティング)、リスニング試験25分と2次試験:面接6分で違う日程です。
英検の開催は年3回、本会場と準会場で日程が異なります。
また英検をCBTで受験する場合、1次試験と2次試験の区別はなく全て1日で終了します。
詳しい日程や申し込み期限などは受験形式によって違いますので、都度公式サイトで確認することをお勧めします。
以下はリーディングとリスニング試験の試験内容詳細を公式サイトより引用したものです。


英検の評価はバンドスコアによって行われ、各技能のバンドスコアの総合によって合否判定が行われます。
準2級におけるバンドスコアの満点は各技能600点満点、合計2,400点満点です。
準2級合格に必要なスコアは1,322/1,800、2次試験は406/600点です。
英検のバンドスコアはCEFRにも対応しています。
CEFRは文部科学省も学習指導要領の中で指標としている、ヨーロッパ共通参照枠です。
英検準2級のスコア1,700~1,949はCEFRのA2レベルに相当します。(合格点1,728以上)
3.まとめ
以上英検2級について特にレベル解説から試験対策やポイントについて述べてきましたが、近年の英語教育の変化に伴い、より高い英語運用能力を問われる試験になっています。
特に日本の英語学習者が苦手としているコミュニケーションや発信力を伸ばし、将来グローバルに活躍するために必要なスキルを身につけることができる内容となっています。
また英検がバンドスコアを導入したことにより、ライティングと面接の配点比重は導入前と比べて高くなっています。
ライティングと面接に力を入れることで、合格への可能性が高まるといえます。

名古屋大 物理工学科卒、米国の大学院にて原子核工学修士を取得(アメリカ留学)。20代はGEやBCGといった一流外資企業で語学力を活かし外国人のエグゼクティブへ英語でのプレゼン経験も多数有。理系でありながら、実用英語技能検定1級、TOEIC980点、IELTS7.5点。著書: 一生食える「強み」のつくり方
今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する「学び方」のノウハウには定評がある。