Grammar & Vocabulary というと、「語彙」「文法」のレベルを求められていると勘違いして、もっと難しい語彙を覚えないと、もっと他の文法を駆使しよう、って思っちゃっていませんか?今回の記事ではそんな勘違いをエビデンスを基に解きたいと思います。
英検1級2次で”Grammar & Vocabulary”低スコアの原因とは!?
英検1級1次試験で語彙・文法のセクションをかなりの高得点で突破された方からこんな質問がよく来ます。

2次試験で”Grammar & Vocabulary”のスコアが低かったのでどのように対策すればいいでしょうか?
ここには大きな落とし穴があって、さらなる知識の強化(例えばボキャブラリーを増やすためにニュースをたくさん見るとか、語彙を強化する)に走るのは方向性として筋が悪い可能性が高いです。
英検1級のGrammar & Vocabularyが低い場合、「知識」として課題があるのではなく「運用」として問題があると考えるべきです。つまり、「知っている・知らない」ではなく、「使える・使えない」の違いです。
少し厳しい言い方をすると、得意な知識の習得に逃げてしまっていて、使えるための練習から逃げているということはないでしょうか?ということになります。
英検1級2次の「語彙・文法」のレベルは90%以上が準2級以下
以下のサンプルスピーチは某社の英検教材に模範解答として示されているものです。これを語彙レベルチェッカーにかけるとどのような結果になるか予想できますか?

下記にある通り、 90.7%以下が準2級の語彙(3000語彙程度)で、96%以上が4000語彙(2級は5000語彙)です。

ここから何が言えるかというと、スピーチのテストでいう語彙・文法というのは基礎的な語彙・文法の運用能力です。これは、当校でいうと、QRトレーニングコースでカバーしている範囲になります。
・英語の運用能力アップのための講座です。
・英語のスピーキング能力の向上にも最適なコースとなります。
・短文を瞬間的に英語で発話できることを目指します。
・講師が日本文を提示し、それを瞬時に英語にする、というのを繰り返すことで瞬間的に英語が出てくる状態を目指します。
英検1級の2次試験で、Grammar & Vocabularyというのは、「使える」語彙・文法の範囲が限られると判定するのが自然です。もしくは90%くらいの範囲(試験時間中のスピーチ時間)はこの基礎レベルについてプレゼンしていることになります。話を聞いている時に、90%と一部カバーしないといけない10%の範囲とどちらに課題があると2次試験の中で試験官に判断されそうでしょうか?
どうしても信じられない・自分で調べてみたいという人は、ぜひこういった語彙レベルチェッカーを使って自分でスピーチを一度分析してみてください。
英検1級2次で”Grammar & Vocabulary”低スコアの対策はどうすればいいか?

まずは、英検1級2次のスピーチを試験形式で実際にやってみて、それをiPhoneなどに録音しましょう。それをGoogle Docなどを使い文字に起こします。
次に、間違いの箇所を見つけます。冠詞、時制などシステマチック(明らかな傾向がある形)で間違えていませんか?
これが分かれば、そういったシステマチックに間違いをする「癖」を直していきます。これは無意識(※英検の試験という緊張状態では練習したことしかできません)にできるようにならないといけないので、そんなことは「知っている」という状態から抜け出すのが第一歩です
こういった癖は、日常的に英文を書く習慣のある方はgrammarlyなどの有料サービスを利用するのも手です。もしくはない方も何としても次回は英検合格!という方は、Google Docで週に2本英文スピーチの現行を作成すると決めて、grammarlyに申し込んでチェックしてもらうのも手です。スピーチの原稿を書いて、基礎力をアップするために英検1級ライティング対策コースもオススメです。
スピーキングに特化するのであれば、QRトレーニングコースを活用いただいて徹底的に基礎の反復練習をされるのがもっとも近道ではないかと考えています。

名古屋大 物理工学科卒、米国の大学院にて原子核工学修士を取得(アメリカ留学)。20代はGEやBCGといった一流外資企業で語学力を活かし外国人のエグゼクティブへ英語でのプレゼン経験も多数有。理系でありながら、実用英語技能検定1級、TOEIC980点、IELTS7.5点。著書: 一生食える「強み」のつくり方
今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する「学び方」のノウハウには定評がある。